カテゴリー
未分類

憧れだったモスグリーンの外壁

憧れだったモスグリーンの外壁を手に入れた瞬間、胸の奥がじんと熱くなるような感覚がありました。築三十年近い我が家は色褪せが進み、雨だれの跡もはっきり残っていて、帰宅するたびに気分が下向きになる日が続いていたのです。そんな中で思い切って塗装を決めたのは、暮らしそのものをもう少し大切にしたいと思ったからでした。業者の方が外壁を指で軽くなぞって粉がつく様子を見せてくれた時、やらなければいけない理由がはっきり見えた気がします。

色選びでは、家族から「もっと無難な色の方がいいんじゃない?」と言われましたが、私はどうしてもモスグリーンに惹かれました。夕方の光を吸い込んだような深みのある色が、古い家に新しい呼吸を与えてくれるように思えたのです。職人さんが「この色は経年変化で味が出ますよ」と言ってくれた一言で背中を押された気がしました。

工事が始まると、毎朝足場を登る職人さんの気配で家が息を吹き返していくように感じられ、少しわくわくした気持ちで見守っていました。下塗りの白い状態を見た時は一瞬不安になりましたが、本塗りを重ねるたびに色が深まり、窓枠の白とのコントラストがくっきりしていく様子が美しくて、作業の進捗を見守る時間が小さな楽しみに変わっていきました。

完成した日に外へ出て見上げた瞬間、思わず息を止めてしまいました。陽の当たり方で濃淡が変わるモスグリーンがあまりにも綺麗で、まるで別の家に帰ってきたかのような錯覚に包まれたからです。近所の方が「雰囲気が一気に上品になったね」と声をかけてくれて、その言葉がひどく嬉しく感じられました。

家族も「思っていた以上に素敵だね」と驚き、反対していた夫まで玄関先でしばらく眺めていたほどです。外壁が変わるだけで家の空気まで明るくなり、私自身も庭の手入れをする時間が増え、モスグリーンに似合う植物を探すのが楽しみになりました。暮らしが前より少し豊かに感じられるようになり、この選択をして良かったと心から思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。