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蘇る自宅

維持をするのが大変なため、長年住んだ自宅を手放すことにしたのは、3年前のこと。
私の自宅があるのは自然豊かな郊外、環境には優れているのだが、生活をするとなると商業施設が少なく買い物をするにも病院に掛かるにも不便。
そのため、なかなか買い手が現れない。
人が住んでいては売れないため、駅の近くにマンションを借り住むことになった。
人が住んでいなくても維持をするのにお金が掛かる、なかなか売れないと不動産屋さんが「リフォームをしませんか?」。
値引きを覚悟していたため、値引きの代わりにリフォームをしよう、そうすれば買い手が現れるかもしれない。
不動産屋に言われるがままリフォームをしたが、買い手はなかなか現れない、すると、今度は「建物の塗り替えをしませんか?」。
手放すことにした自宅は築年数が古く見栄えは良くない、私なら買いたいとは思わない。自分が欲しいと思わない物件は売れるわけがない、不動産屋に言われるがまま建物の塗り替えを行った。
すると、御近所さんが「売っちゃうの、せっかくキレイになったのに」。
その御近所さんとは付き合いが長く、自宅を手放すとなると、その御近所さんとは疎遠になってしまう。
改めて売りに出している自宅を見てみると、昔のことが走馬灯のように蘇り、私も自宅を手放すのは勿体ないと思い始めた。
建物の塗り替えを行うと、家の中を見たいという人が次々に現れた。
どうしよう、自宅が売れてしまうかもしれない、リフォームや建物の塗り替えはしたけど、愛着のある自宅が他人のものになるのは耐えられない、自宅を手放すのは辞めた。

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