外壁で住民が良く目にするのは玄関側の正面だが、隣宅からすれば側面や後方の外壁を良く見るのだろう。
正面側の外壁は大して劣化は見られないと主の私は思っていたのだが、久しぶりに帰郷した息子が「そろそろ外壁塗装をしたら」
私、「気になる?」
息子、「うん」
私、「お父さんは気にならないけどな」
息子、「劣化した外壁に見慣れているからだよ」
御近所さん宅と自宅を見比べると、息子が言うように自宅の外壁は劣化して塗装がハゲている。
私が住んでいるところは建ぺい率が高く、隣宅とは隣接しており、外壁塗装をするとなると隣宅に迷惑を掛ける。
私の一存では決められない、妻に相談をすると「どこに、そんなお金があるの?」。
外壁塗装にいくら掛かるかは全く知らない、ネットで調べると足場台などが全て含まれて70万円と書いてあった。
70万円ならボーナスで支払える、今年買い換えるつもりだった車を来年にすれば良いだけのこと。
今度は留学をしている息子からメールが届いた、「彼女を連れて帰る」と。
留学をしている息子がお付き合いをしているのは外国人、広い家に住む外国人からすれば私の家は貧相に見られないか気にしていると、留学をしている息子が「家のことは心配しなくて良いよ、彼女は知っているから」。
私、「外国人の彼女がどうして家のことを知っているの?」
息子、「家の画像なんてネットで調べられるでしょ」
ネットで調べてみると、私の家は私が思っている以上に外壁塗装が劣化、特に劣化が酷いのが屋根だった。
屋根まで塗装をするとなると幾ら掛かるのだろう?外壁だけ塗装をして屋根はしないわけにはいかない、なぜなら、息子の部屋は2階にあるから。
私、「いつ彼女を連れて来るの?」
息子、「長期の休みが取れる夏か冬」
息子の部屋がある2階は、夏はクソ熱く、冬はクソ寒い、こうなったら屋根も塗装をするしかない。
家を建てた業者さんに塗装業者さんを紹介してもらった。
夫婦で用意出来たのは100万円、足場代だけでも30万円掛かるとなると、塗装代に当てられるのは70万円、70万円で屋根まで塗ってもらうには、塗料をケチるしかないのだが、それでは熱さと寒さが防げない。
塗装に全てのお金を掛けるのではなく、「エアコンを付けたら」と言い出したのは家を建てた業者さん。
その手があるかと思ったのだが、「エアコンなら後でも付けられるでしょ」と妻が言うため、尻に敷かれて四半世紀の私は妻の意見を尊重し、不足分は両親に出してもらった。
夏休みに息子は外国人の彼女を連れて帰って来た、部屋が熱くないか気掛かりだったが、外国人の彼女は快適に日本の夏を過ごしてくれたようだ、言葉が通じないから彼女の本心は分からないが。
高額な塗料で屋根を塗ったため、暫く車を買い換えることは出来ないが、車で出掛けるより家に居るほうが快適だ。